【 コラム 】 浸透印の種類と作り方
「浸透印」とは、インクが印面に内蔵されており朱肉やスタンプ台を必要としない連続捺印が可能なスタンプのことをいいます。浸透印の種類は?また、浸透印はどのように作られるのでしょうか…?
1.「浸透印」の種類
浸透印の印材の種類は大きく分けて2種類あり、表面に凹凸がある「凸凹タイプ」と、印面が平な「フラットタイプ」があります。
「凹凸タイプ」の印材は、多くの場合、素材にゴムを使用しています。ゴムに細かい穴が開いており、そこからインクがにじみ出る仕組みになっています。使用頻度や経年によって摩耗や劣化による変形が生じ易く、凹凸があるためゴミやホコリがたまりやすいなどのデメリットがあり、捺印する力の加減によって印影が変わることもあります。
一方、凹凸が無い「フラットタイプ」は、プラスチック製の多孔質体 ”多孔性樹脂”を使用しており、印面に凹凸が必要ないので細かな文字や写真などを捺印デザインとして使用できます。プラスチック製なので耐摩耗性・耐久性に優れており、安定して綺麗に捺印ができることが特長です。また、表面がフラットなので、ゴミやホコリがたまることもありません。
耐久性・耐摩耗性のあるポリエチレンを原材料に使用した当社の多孔質印面素材に文字など加工した表面。凹凸が無い「フラットタイプ」の多孔質体は、細かな文字でも鮮明に加工ができる。 |
2.「浸透印」の製造方法
「凹凸タイプ」の浸透印は、ゴム素材に塩などの添加剤を混ぜ合わせ、プレス成形した後に成形されたゴムから添加剤を溶出しインクの入る小さな孔を形成させ、乾燥後にインク含浸して製造します。それぞれの工程において一定の時間や特殊な設備が必要で、同一製品を大量生産する際には向いていますが、少ロット製造の際は、余分な費用も時間もかかります。これらの理由から、専門工場を持つスタンプメーカーによって製造されています。
一方、「フラットタイプ」の印材である多孔質樹脂は、低温で加工が可能なため、赤外線ランプを内蔵した卓上サイズの浸透印加工機 ’フラッシュ機’ などで印面加工します。複雑な技術や工程が不要なので、販売店など店舗で導入しているところも増えています。
浸透印種類 | 原材料 | 印面加工工程 | 印面加工機 | 製造者 |
凹凸タイプ | ゴム素材など | 成形・添加剤溶出・乾燥・インク含浸 | プレス機など | スタンプメーカー |
フラットタイプ | 多孔性樹脂 | 印面加工・インク含浸 | フラッシュ機 | 店舗 |
製法は簡単で、まず、プラスチック多孔質印材、スタンプホルダー、インク、版下、保護フィルム、フラッシュ機などを準備します。プラスチック多孔質印材、版下、保護フィルムと一緒にフラッシュ機へセットし、赤外線ランプで照射します。この時、印字面以外の部分は露光による熱で溶融硬化し、インクを通さない非浸透部となります。露光した印材をホルダーにセットしてインクを浸透させたら浸透印の完成です。この製法は、フラッシュ機と版下を印刷するプリンター、スタンプホルダーキットがあれば店舗で簡単に少量のオーダーメイドで浸透印の製造ができるため、国内外の印章店また文具店で幅広く利用されています。
製品の問い合わせ・サンプルのご依頼 |
当社は、ポリエチレンをベース材料とした「フラットタイプ」の浸透印用印材の製造販売をしております。
印材だけでなく、浸透印のOEM生産も対応しております。製品のこと・サンプルのご請求など、なんでもご相談ください。